睡眠外来のご案内
当院では睡眠、不眠にお悩みの方に適切な診断・治療を行なっております。睡眠薬を使うことに抵抗がある方は多いですが、治療開始前に目標治療期間を決めて治療をしていけば問題はありません。まずはお気軽にご相談ください。
不眠症のタイプ
不眠症は以下の4つのタイプに分けられます。
1:「入眠障害」・・・寝つきの悪い
2:「中途覚醒」・・・眠りが浅く途中で何度も目が覚める
3:「早朝覚醒」・・・早朝に目が覚めてしまう
4:「熟眠障害」・・・ある程度の時間眠ってもぐっすり眠れた満足感がない
不眠の原因
(心理・環境的要素)
・ストレス
・生活リズムの乱れ
・アルコール、カフェイン、ニコチン摂取
・心の病気
(身体的要因)
・睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は眠っている時に無呼吸・低呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を起こす病気です。無呼吸・低呼吸のため一晩に何度も起きてしまったり眠りが浅く熟眠感をえられにくい状態になります。また、睡眠時無呼吸症候群では様々な合併症を起こします。高血圧、脳卒中、心筋梗塞を引き起こす可能性は健康な方に比較して数倍以上になってしまいます。適切な治療によって睡眠の質、合併症による死亡率を低下する事ができます。
いびき、夜間の頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛などあれば強く疑います。
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査から治療を行う事ができます(準備中)。
その他以下の様な様々な疾患が不眠の原因となる事があります。
・高血圧
・糖尿病:頻尿によって
・循環器疾患(慢性心不全など)
・呼吸器疾患(喘息、COPDなど)
・ムズムズ脚症候群
・生活習慣病
当院の睡眠外来の特徴
・不眠症の原因・治療を内科学的観点からアプローチしていく
・睡眠時無呼吸検査・治療が充実している
当院で不眠症の治療を実施することも可能です。しかし、こころの病気であると判断した場合には専門医への紹介を躊躇しません。こころの病気と思っているけれどいきなり精神科・心療内科を受診する事のハードルが高いと思われている方はぜひ一度ご相談ください。
不眠症の治療方針
・まずは不眠症の原因を把握します。身体的な原因(生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群など)がはっきりした場合にはそれらに治療を優先します。精神的な要素が強い場合には専門医に紹介し致します。
・身体的・精神的な原因はないが慢性的に不眠が持続するいわゆる「不眠症」の方には非薬物療法と薬物療法を組み合わせた治療を行います。
(薬物療法)
薬剤によって作用時間、作用機序は異なります。不眠のタイプに合わせて以下の薬剤から選択します。
1)睡眠薬
・非ベンゾジアゼピン系
・ベンゾジアゼピン系
超短時間型(血中消失半減期:2-4時間)
短時間型(血中消失半減期:6-10時間)
中間型:(血中消失半減期:20-30時間)
長時間型:(血中消失半減期:50-100時間)
ベンゾジアゼピン系薬剤には作用時間によって超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類され、不眠症のタイプによって使い分けます。基本的には単剤投与を原則としますが、超短時間および長時間作用型を併用することもあります。
・メラトニン受容体作動薬:効果は弱いですが副作用が少なく安全です。また生活リズムが不規則で昼夜逆転の生活になってしまった場合(既日リズム障害)の方にも有効な薬です。
・オレキシン受容体拮抗薬:覚醒をコントロールするオレキシンの受容体を遮断することによって睡眠をもたらす薬です。中途覚醒や早期覚醒に効果がある一方で悪夢の副作用があり注意が必要です。
・その他:抗精神病薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬
睡眠、不眠でお困りな事があればいつでもご相談ください。予約は不要です。
出典
今日の治療指針2021
https://jssr.jp(日本睡眠学会)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp › information › heart(不眠症 | e-ヘルスネット(厚生労働省))
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=42(日本呼吸器学会)
執筆・監修
こちらの記事は、下記の日本内科学会認定医・専門医が執筆・監修しております。
松井知治
日本内科学会 認定医、専門医、指導医/ 日本呼吸器学会 専門医/ 日本がん治療認定医機構がん治療認定医/ 日本抗菌化学療法学会認定医/ 日本結核病学会認定医/ 日本感染症学会認/ Infection Control Doctor/ Basic Life Support provider/ Advanced Cardiac Life Support provider