銀座しまだ内科クリニック

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大型機器を使用するロシュ社製、新型コロナウイルス抗体検査実施についてのご案内(COVID-19, SARS-CoV-2) 2020年6月16日更新

現在、新型コロナウイルス感染症は世界的なパンデミックを生じ、日本国内でも緊急事態宣言をはじめ様々な対策が施行されています。

新型コロナウイルスの確定診断はPCR(polymerase chain reaction)による遺伝子診断が必須となります。PCRセンターの設置などにて日々PCR測定可能数は増加しておりますが、検体を鼻腔から採取するときに医師など検査施行者に感染するリスク、測定のために専用の機器、技術を要するなどの課題があり、いまだ必要十分量に検査を受けられないのが現状かと思われます。

そこで、当院では自ら取り組める試みとして今回、新型コロナウイルス感染症の抗体検査を施行することとしました。

 

抗体検査の利点として、指先の血液から検体の採取が可能であり、当院のようにガウン、フェイスシールドなど防護具がなくても鼻腔からの検体採取より安全に検体の採取が可能です。また今回ご用意できる検査キットは結果の判定まで3~7分と短時間で検査結果を得られ、検査希望者は完全予約制にすることもあわせ院内の滞在時間が短くて済みます。

一般的にIgM抗体の検出は感染症の初期を示し、感染症の診断に使用できます。IgG抗体は感染症の後期から徐々に現れ、その後、増加していくので、感染症の既往(かかった病歴があるか)の状態を診断できます。

 

IgM陽性、IgG陰性:感染中

IgM陰性、IgG陽性:感染後の免疫をもっている状態

IgG陰性、IgM陰性:感染していない

 

コロナ抗体を測定することは、新型コロナウイルスに対して免疫をもっているか判断する唯一の方法です。

 

欠点として、下記にも記載致しますが、抗体検査キットは感染後に産生されるIgM、IgG抗体を測定する検査であり、感染早期の診断にはおすすめできません。

上記の理由から、検査2週間以内に発熱などの自覚症状を認める方(感染早期の方)は検査を控えてください。

 

当院ではアメリカ製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19, SARS-CoV-2)抗体検査キットであるDriven-Flow® COVID-19 IgG / IgM抗体検査キットにて測定しておりますが、2020年6月18日からより感度(感染陽性患者に対して何%正しく感染している陽性と判定できるか)、特異度(感染していない患者に対して何%正しく感染していないと判定できるか)共に優れるロシュ社製の大型機械を使用した新型コロナウイルス抗体検査(IgGのみ)に変更させていただきます。

なお、抗体検査キットであるDriven-Flow® COVID-19 IgG / IgM抗体検査キットにてすでにご予約いただいている方は、そのままDriven-Flow® COVID-19 IgG / IgM抗体検査キット検査にて予約時の価格にて検査できますので、よろしくお願い致します。

ロシュ製の大型機械を使用した新型コロナウイルス抗体検査(IgGのみ)のご予約については、当院ホームページからご予約できますので、ホームページ上からご予約のほどよろしくお願い致します。

 

(画像はロシュ社製の 新型コロナウイルス抗体検査 製品紹介ページから引用)

 

(画像はシミックヘルスケア・インスティテュート株式会社 CHI 製品紹介ページから引用)

 

大型機械を使用したびロシュ社製の新型コロナウイルス抗体検査およびその場で検査結果がわかるDriven-Flow®COVID-19 IgG / IgM抗体検査ともに2020年6月16日現時点で本邦おいて体外診断医薬品ではなく、医師の裁量のもとに行う研究用試薬であり、ご理解のほどよろしくお願い致します。

 

以下の点もご注意ください。

  • 陰性の結果は新型コロナウイルス感染症を否定するものではなく、確定診断は遺伝子診断(PCR)により行う必要があります。
  • 今回の抗体検査の主目的は過去に新型コロナウイルスに感染したことの有無を見るツールの1つになりえると判断し当院で導入しました。現在の感染について確認するのは遺伝子診断(PCR)になります。したがって検査2週間以内に発熱などの自覚症状を認める方は検査を控えてください。
  • IgG陽性の結果は、過去に新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2 コロナウイルス)に感染した後であることが示唆されますが、非SARS-CoV-2コロナウイルス株による過去の感染が原因である可能性もあります。
  • IgG陽性の結果であっても、今後、新型コロナウイルス感染症にかからないわけではありませんので、今回の結果をもとにマスク着用や手指洗浄など感染予防対策の解除は行わないでください。
  • 研究用試薬を医師の判断のもとに使用します。

 

上記の点をご理解の上、ご自分の新型コロナウイルス感染症の感染後の状態であるのか、免疫状態を知るツールの1つと考えてご利用ください。

 

2020年6月16日

文責 医療法人社団 銀座しまだ内科クリニック 院長 島田昌彦