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2018年9月11日に千葉県千葉市にて行われる東京女子医科大学関連(主催:田辺三菱製薬株式会社)の研究会にて「脂肪肝合併糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の最近の知見」をテーマに講演させていただきます。
お酒を飲まない脂肪肝には病態が進行することが少ない比較的安定した病態である非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver, NAFL)と肝硬変や肝細胞癌に進行することのある非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis, NASH)があります。これら2つの病態を総称して非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease, NAFLD)と呼びます。
最近ではNAFLと呼ばれる病態でもNASHとさほど変わらずに進行するとの報告もあり、本来、進行する可能性があるNASHと比較的安定した病態であるNAFLを鑑別するのは非常に困難であります。
当院では肝臓の病態の進行と肝の線維化はほぼ一致するとういうことに注目し、肝の線維化を非侵襲的(カラダにダメージをかけずに)に診断する超音波(正確にはせん断波ですが)を用いたエラストグラフィーである肝フィブロスキャンを使用し、肝の硬さ=肝の線維化を評価し診断・治療に用いております。
今回の報告では、これらお酒を飲まない脂肪肝(NAFLD)を合併している糖尿病の患者様に、尿から糖を排泄させて余分な糖を体外に捨ててしまい糖尿病の病態を改善させるわが国では2014年から投与可能となった新しい機序の糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬(SGLT: sodium-dependent glucose transporter 2 inhibitor)を投与して糖尿病のみならず脂肪肝の病態がどのように変化するのかを講演させていただきます。
講演後、内容についてはこちらのコラムに報告させていただきます。
SGLT2阻害薬には、過剰な糖を尿中に排泄することにより平均で約3-5kgの体重減少も生じるのですが、これらの体重減少は脂肪、筋肉、水分のいずれが変化して生じているのかも最新の体組成計であるInbody 770を用いて評価可能ですので、この点も含めて講演させていただきます。
さらにこの研究会では、東京女子医科大学 本院 消化器内科 講座主任である徳重教授からも「NASH・NAFLDと生活習慣病」のご講演も拝聴できるため、非アルコール性脂肪肝の最近の知見について勉強できるかと思います。
こちらの研究会は残念ながら招待された先生のみが参加できるタイプの研究会であり、自由に参加することはできません。不肖ながら小生が徳重先生の講演を拝聴し、こちらのコラムに報告させていただこうと考えております。
検診などで脂肪肝を指摘され、肝臓の進行具合つまり肝線維化=肝硬度を測定したい患者様、糖尿病のみならず脂肪肝も指摘されていてSGLT2阻害薬の投与に興味がある患者様など、脂肪肝・肝疾患関連で気になることがある患者様はどうかお気軽にご来院ください。
また、午前2枠、午後2枠のみと少なくて申し訳ないのですが、肝疾患・肝フィブロスキャン予約枠も設けていますので、当院までお電話をお待ちしています。